「50歳からの英語」

 かれこれ50年以上英語と悪戦苦闘しその中で暮らしてきましたがどうしても乗り越えられなかった壁がありました。それはNative同士の会話の完全な聞き取りです。こればかりは奮闘努力の甲斐もなく納得のいく線まで到達してはいません。
 勿論、普段の生活、大抵の文章の読み書きにはさほど不自由はしないのですが、彼ら同士のくだけた会話は書れたものを見れば何でもないことでも、すっと耳に入ってこないのです。理由は私の場合、実用英語を始めた年齢がかなり遅かったということと旧態依然とした教授法だったことのようです。例の暗号解読法です。理屈でねじ伏せようとして音に関しての練習、訓練が無かったのです。今では高望みをせず易しい単語と、言いまわしでそれなりの内容のあることが話せれば良いと達観しています。日本語がもっぱら視覚に依存する言語であるのに反し、英語は聴覚に依存している言語ですのでそう簡単には習得できるものではないと納得しています。例えば視覚、SHIKAKU、もしくはシカクといっても何の概念も伝わりません。視覚、資格、四角、死角というように漢字で視角に訴えると即座に理解できます。余談になりますが初等教育では漢字を教えることは禁止されていますが、幼児はかえって漢字のほうに理解を示すという教育法実験がされいるそうです。三才児でもこの教育法によれば300字ぐらいは理解できるようにり、結果としてIQは平均プラス30ぐらいは容易にあがるということです。勿論声に出して読めるとか、書けるというのでなく概念として把握できると言うことの様です。このことが示すようにどうも我々の脳は聴覚よりも視覚の方の感度が優れているようです。


 一方、英語でSHIKAKUはVISUAL,QUALIFICATION or Requirement, SQUARE or QUADRANGLE, Blind Corner/spot等になりこの概念は目からより音として耳から入るほうがより明確になるようです。この感覚はNATIVEでない我々には残念ながら実感としては理解できない領分です。そんな訳でShakespeareも下読みをし見に行けばそれなりに楽しめますがNATIVEが全身でもって味わう境地には程遠いもののようです。今一つ永い彼らとの付き合いの中で分かった事は、彼らの音に関しての許容範囲はきわめて狭いということです。 日本人の苦手とするR,L,V,TH,等はかなり正確に発音したつもりでいても理解されてないことがしばしばありました。反対に文法的にめちゃくちゃなNATIVEでない外国人の話す英語はそれなりに理解しているようなのです。


 われらシルバーは言葉の習得に重要な聞いて真似をするという能力が、残念ながら年齢に比例して弱まっているという現実をまず受け入れてください。そんななかで今からでも実行可能な一つの方法をお教えします。前回までの洋画と私でお気づきいただいたように科白は短いものが多いのです。会話は短ければ短いほうが良いのです。私達の日常会話で使っている単語を英語で覚えてください。音が大切ですの正確に覚えてください。英語らしく格好をつけて大きな声で言ってください。Please!からスタートしてみてください。この1語でもT.P.Oによってアクセントが違います。いろいろとやってみましょう。次に必要なのはBODY LANGUAGEです。これも日本人が不得意とする分野ですがそんなことを言ってはいられません。表現豊かに演じてください。
 トイレに行きたくなりました。中学で習った英語を総動員です。 I want, Can I, May I・・・May I がよさそうだ。次は借りる、たしかborrowだった。トイレはtoiletおそるおそる蚊の鳴くような声で May I borrow a toilet ? 通じたかどうか、 答えは否です。この例は日本人が犯しやすい古典的な例としてどんな本にも出ています。
 借りるということは持ち帰って使うという意味ですのでこの場合は May I use..となります。toiletよりもrest room, (公共の建物の中にあるトイレ)"日本語のお手洗いは?"同じように Wash room ? で充分通じます。電話を借りたいときもまったく同じです。


 最後に一つ、海外旅行で入国の際必ず聞かれる質問、これ以外はありません。これも一言で済みます。
最初の質問は「W」で始まっていれば What is the purpose of your visit?
 内緒の話ですが Sightseeing の 一言 これでOK 下手にbusinessなどというと、どんな仕事かといろいろ聞かれて、にっちもさっちもいかなくなる。一番大変なのは study English これだと学校の引受け書、長期の場合は貯金の残高証明その他もろもろ聞かれてなかなか無罪放免にならず別室にご案内ということになる。
 その次は「H」、 How long are you staying ? 返答はTow three days. またはA week.でよい。
 もう一つの「W」、Where are you staying? この返答も Hilton Hotel 名の通った観光ホテルが一番無難。格好もよい。これだと同じ質問を何百回と繰り返している係官も大いに助かる。
 日常必要な単語を正確に音で覚える。〔CDつきの基本英単語500などが役に立つ)はっきりした声で英語らしく発音する。body languageも動員する。まず1歩を踏み出してください。私も最初はそうでした。

Good Luck !




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